いまさら AKB論

アイドルとは無縁の某企業のマーケッターが、娘に影響されてAKB48好きになってしまい、マーケッター目線とファン視点でAKBを「いまさら」語ります。

AKB第一章が終わった。 そして

昨日、高橋みなみのAKBのメンバーとしての最後の

劇場公演が終わった。

これで小さな劇場からスタートした日から10年、

日本を代表するアイドルグループまで上り詰めた

AKB48の第一章が終わったのだ。

 

たったひとりのメンバーの卒業で第一章が終わるとは

大げさなと思うかもしれないが

AKBの第一章は秋元康と高橋みなみで作られた

と言っても過言ではない。

アイドルになりたいという目的で集められた

普通の女の子達。

皆が同じベクトルを向いているはずもなく、意識も行動も

バラバラな集団を、プロとして仕事が出来るグループまで

高めた功績は大きい。

今やAKBのメンバーをテレビでは見ない日はないほどに

なったのは、ただ単に可愛いからとか、歌がうまいから

というわけではない。

自分達の身の丈を知り、売れた今も努力を忘れずに

一生懸命、仕事に臨んでいるからだと思う。

こういう事を忘れて勘違いしてしまうと、芸能界で

生き残るのは難しい。一発屋として消えてゆくのだと思う。

AKBだって、売れ始めた時、勘違いした娘たちが

多かった時期があったようだが、それをそのままに

させず戒めたのが高橋みなみだった。

 

それは彼女が人よりも運動神経が悪くダンスも

下手だったからということに関係があると思う。

自分が下手な事を自覚しているから、寝る間も惜しんで

人よりも努力して上手くなろうとする。

努力し続ける姿は、他のメンバーの手本となり

今のAKBのメンバーのあるべき姿となった。

 

そんな彼女は自分の姿とAKBの姿を重ね合わせていたのでは

ないだろうかと思う。

だから、どんなに売れようとどんなにテレビに出ようと

自分達は完璧じゃない、努力し続けなくてはならない

謙虚でいなくちゃならないと、AKBメンバーに

スタッフに言い続けた。

秋元康の言葉、「AKBとは高橋みなみのことである」

という言葉がまさにぴったりくる。

才能豊かな大物アーティストや大御所とは違う

いつも一生懸命にひたむきに頑張り、お客様と向き合うのが

AKBでありAKBの良さなのだと思う。

 

AKBの成長という視点で見ると、どうしても前田敦子や

大島優子という両エースの存在や働きが評価されがちだが

組織としての根幹を作ったのは、秋元康と高橋みなみだと思う。

 

高橋みなみは、ここで卒業する。

AKBグループは、第二章の幕を開ける。

第2の高橋みなみはいらない

第一章で学んだ、高橋みなみAKBを持ちつつ

新しいAKBに進化してゆけばいいと思う。

 

それでも、高橋みなみが言い続けた「努力は必ず報われる」

という言葉をグループとして、忘れてはならない。

この言葉はアイドルを目指す卵の女の子たちが、

芸能界を生きて行くために必要な言葉だから。

 

新たなAKBグループの船出に乾杯。

GOOD LUCK !